NANO DIMENSIONのマイクロ3Dプリンティング技術

September, 12, 2024, Waltham--Nano Dimensionは、マウスの神経活動を正確に記録するための革新的なマイクロ3Dプリント医療機器を開発している。

アディティブ・マニュファクチャリング・エレクトロニクス(AME)および多次元ポリマ、金属、セラミックのアディティブ・マニュファクチャリング(AM)3Dプリンティング・ソリューションのリーディングサプライヤ、Nano Dimension Ltd. (Nano Dimension)は、カナダとフランスの大手研究センタと提携し、精密なFabricaマイクロ3Dプリンティングシステムを使用した画期的なプロジェクト開始を発表した。
この研究は、マウスの神経活動の正確な記録を中心とし、体性感覚情報の処理に関与する神経回路とメカニズムを解明することを目的としている。このプロジェクトの結果は、生物医学研究の進歩と最先端の医療機器の開発において、革新的な製造ソリューションが果たす重要な役割を強調している。

3つの主要な機関の研究者で構成される研究チームによると、研究プロジェクト用の小型またはマイクロ医療機器は、そのサイズ、寸法要件、および複雑な機能のために、製造に大きな課題をもたらす。この事例では、マウスの椎骨に2つの電極をしっかりと固定できる小型装具を設計する必要があった。これまでのところ、覚醒した動物の背角ニューロンの電気的活動を調べる試みは限られており、研究チームにとって独自の課題があった。

「意識のある動物の脊髄におけるニューロンの電気的活動を記録することは、主にマウスの歩行や呼吸によって引き起こされる動きや、問題の領域へのアクセスのしやすさのために、容易ではない」と、フランスのボルドー大学のPh.D学生、Louison Brochoireは説明している。

「このプロジェクトでは、非常に微細な穴に挿入された電極をしっかりと固定して安定させながら、動物が動くようにするための装具が必要だった」と、ボルドーのInstitut des Maladies Neurodégénératives、CERVO Research Center、カナダのケベック州にあるラヴァル大学の教授の監督の下で研究を行ったBrochoireは付け加えている。

従来の製造方法では、精度と機能性を維持しながら電極を効果的に安定させることができるデバイスを製造するには長い苦労が必要であることを念頭に置いて、チームはNano Dimensionと提携して代替ソリューションを見つけた。

設計上の課題は複雑で、幅わずか2.7mmの部品に110μmの電極穴を開けるなど、正確な寸法が必要だった。そのため、Nano Dimensionは、比類のないミクロンレベルの精度を実現するFabricaマイクロ3Dプリンティング技術を導入した。同社は、厳しい公差と最小4µmのピクセルサイズ、1〜10μmの層の高さで正確で機能的な部品を製造するFabrica 3Dプリンタを使用して、必要なブレース(brace)の3Dプリントに成功した。これにより、わずか1週間で研究に使える機能的なパーツが完成した。

研究チームにとって、結果はチームの要件を正確に満たしていた。「ブレース内にこのような正確で微細な穴を開ける能力は重要だった。この設計特性は、動物の呼吸や動きによって引き起こされるアーチファクトを最小限に抑えるのに役立った。これは、電気信号に干渉し、結果の分析を複雑にするものである」(Brochoire)。

マウスへの移植に関する特定の要件を満たす機能部品を提供するために、Nano Dimensionは生体適合性のあるFabrica Medical M-810材料を使用した。細胞毒性に対するクリアランスを備えているので、ヒト細胞に毒性がないことが保証されており、この材料はチームが必要とするデバイスに最適である。

「Nano Dimensionのマイクロ3Dプリンティング技術の高精度と解像度は、生体適合性材料の使用と相俟って、われわれの主要な目的を達成するために不可欠な新しいツールを作成する力を与えてくれた。他の方法を使用する代替案には、目的の機能を実現するために、より大きな部品をプリントして変更することが含まれていた。これには数か月かかることもあり、研究プロジェクトにとっては大きな問題だった。明らかに、医療分野でのこのような技術の使用は、多くの制限を超える」とBrochoireは結論付けている。