光ベース3Dプリンティング向け「革新的な」多材料を開発

December, 5, 2023, Ames--米国国立科学財団(NSF)は、「われわれの未来に革命を起こし、設計する」材料を探している。

アイオワ州立大学Iowa State UniversityとUC Santa Barbaraの研究者は、デジタルライトプロセッシング(ユーザーが熱ではなく光を当てて液体樹脂をすばやく硬化させてプラスチック層に硬化させる3Dプリントの一種)を根本的に変えて、多材料プリントを可能にすることで、まさにそれを実現できると考えている。

「われわれは同じ樹脂で3つの材料特性を生み出したいと考えている。これは、3Dプリンティング向け材料という点で革命的である」と、Iowa State機械工学准教授、プロジェクトリーダー、AdarshKrishnamurthyは話している。

研究チームは、材料化学、計算科学、機械学習、材料特性評価の専門知識を使用して、様々な波長の光にさらされると多様な特性で固化する樹脂を見つけてようとしている。

したがって、1つの材料で、Digital Light Processing 　3Dプリンタは、ある場所では剛性があり、他の場所では柔軟な製品を作ることができる。

国家のニーズに応える新素材
このプロジェクトは、NSFが9月に発表した37のプロジェクトの1つであり、「壮大な社会的課題に対処し、明日の科学、工学の労働力を育成するための新しい材料を作り出す」4年間の7250万ドル投資の一環である。この取り組みは、材料の発明と利用を迅速に進めることに焦点を当てた、連邦政府の複数機関の材料ゲノムイニシアチブ(Materials Genome Initiative)の一部である。

「NSF全体の多数の研究分野と連邦および産業のパートナーシップを統合することにより、このプログラムは、緊急の国家ニーズに対応するための新材料の設計、発見、開発に真に革命をもたらす」とNSFディレクタ、Sethuraman Panchanathanはコメントしている。

このプログラムは、Iowa State の研究者に80万ドルを授与し、人工知能と機械学習(ML)アルゴリズムを使用して、様々な特性でプリントできる新しい樹脂の開発を支援した。Krishnamurthyは、Iowa State チームのMLツールの経験は、研究者が選択肢を評価し、潜在的な材料を迅速に特定するのに役立つとコメントしている。

このプログラムはまた、UCSBの研究者にプロジェクトのシェアに対して110万ドルを授与した。材料教授、Michael ChabinycをリーダーとするUCSB研究者は、ポリマ化学の研究に焦点を当てている。

Krishnamurthyは、Iowa State とUCSBの研究者は、細胞培養の成長を促進、指示できる、様々な剛性の構造化された表面を備えた特別な生物医学プラットフォームの構築に注力すると語っている。

現在、そのような培養物は硬質ガラスまたは軟質シリコンポリマー上で成長している。

「しかし、体はそういうものではない。体には、硬い骨と柔らかい組織の両方がある。剛性が異なるため、細胞の成長が促進されるのである」(Krishnamurthy)。

材料の改善をコンピューティング
実際の材料のプリンティングとテストに加えて、研究者はシステムの「デジタルツイン」を開発する。これを使用して、様々な樹脂が光の波長と露光のスペクトルにどのように反応するかをシミュレート、予測できる。

マシンラーニングツールは、研究と開発に適した潜在的な樹脂リストをトリミングすることにより、研究者の面倒で時間のかかるラボ作業を節約する。

さらに、研究者は強化学習というML技術を使用して、実験や理論の進歩が多材料の光ベースの3Dプリンティングの全体的な進歩につながることを確認する。

そのすべての計算科学は、Iowa State-UCSBチームが、「従来の方法と比較して2倍の速さとわずかなコストで先端材料を発見、製造、展開する」という材料ゲノムイニシアチブの目標を推進するのに役立つ。