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進化と新しいナノスケールデバイスの3Dプリンティング

September, 22, 2023, Pasadena--Caltechが開発している新技術により研究者は、光デバイスを「進化」させ、特殊タイプの3Dプリンタを使って、それらをプリントアウトすることができる。
これらのデバイスは、いわゆる光メタマテリアルでできており、その特性は、ナノメートルサイズの非常に小さな構造から得たものである。また、それは、以前には小規模ではできなかった方法で光の特性を検出するカメラやセンサを実現する可能性がある。

研究は、Andrei Faraonラボで、応用物理学&電気工学教授、William L. Valentineが行い その成果は、Nature Communications誌に発表されている。

Faraonが光学メタマテリアルを開発したのは、これが初めてではないが、これらの材料が3次元になったのは初めてである。

「一般に、これらのもののほとんどは、薄い材料層で作られる。非常に薄いSi、他の材料を利用し、加工してデバイスにする。しかし、オプティクス分野は、3次元空間で生きる。ここでわれわれが研究しようとしていることは、われわれが制御しようとしている光波長よりも小さな3D構造を作ると可能になることだ」と同氏は説明している。

新しい設計技術の実証としてFaraonのラボは、この場合は、赤外光、入力光を波長と偏光の両方によって分類できる、微小なデバイスを作製した。偏光とは、光波が振動する方向である。

この方法で光を分離するデバイスはすでに存在するが、Faraonのラボで作製したデバイスは、可視光で機能するようにできており、カメラのセンサに直接搭載できるほど小さく、赤い光を1つのピクルに向け、グリーンの光を別のピクセルに、ブルーの光を第3のピクセルに向けることができる。同じことが偏光光でもできるので、表面の方向を検出できるカメラを作れる、AR/VRスペース実現に役立つ機能である。

これらデバイスを一瞥すると予想外のものが目につく。ほとんどの光学デバイスは、レンズ、プリズムのように滑らかで、高度に研磨されているが、Faraonラボで開発されたデバイスは、有機的で混沌としているように見える、オプティクスラボで見るものよりもシロアリの塚の内部のようである。これは、デバイスがアルゴリズムによって進化しているからである。アルゴリズムは、望ましい方法で機能するまで連続的に設計を微調整する、飼育によって牧羊犬を育てるのと同じである、とGregory Robertsは、説明し入る。同氏は、応用物理学院生、論文の筆頭著者。

「その核心のデザインソフトウエアは、対話的プロセスである。デバイスの改良方法において、最適化の全ステップで選択肢がある。小さな変更を行った後、それは別の小さな変更を見つけ出す、最終的に、この奇妙な外観の構造になる、これは最初にわれわれが設定した目標機能で高い性能を持つのである」(Roberts)。

「実際、これらの設計では合理的な理解はない、つまり最適化アルゴリズムにより作られたデザインである。したがって、特定の機能を実行するこれらの形状がある。例えば、光を一点に集光するには、基本的にレンズがするこどが、その機能のためにわれわれのシミュレーションを実行する、するとレンズに非常に似通って見えるものが得られる可能性が最も高い。しかし、われわれが狙っている機能は、特定のパタンで波長を分離することであり、これは非常に複雑である。それこそ、その形状が出てきた理由であり、全く直感的ではない理由である」と同氏は、話している。

コンピュータのモデルからこれらのデザインを物理的なデバイスに移すために研究チームは、2光子重合化(TPP)リソグラフィとしてる知られる一種の3Dプリンティングを利用した。これは、レーザで選択的に液体レジンを固化する。ホビイストが使用する3Dプリンタとあまり違わないが、ただし遙かに精密にレジンを固化するので、ミクロン以下の特徴を備えた構造ができる。

Faraonによると、研究成果は、概念実証であるが、いささか研究寄りとは言え、実用的な製造技術で造ることができる。