May, 8, 2023, 名古屋--東海国立大学機構 名古屋大学大学院工学研究科の王文苑(オウ ブンエン) 博士後期課程学生(日本学術振興会 特別研究員)、高田 尚記 准教授(戦略的創造研究推進事業 さきがけ研究員)、鈴木飛鳥 助教、小橋眞 教授は、あいち産業科学技術総合センター 加藤正樹 氏(名古屋大学 未来社会創造機構 客員教授)と連携し、金属3Dプリンタ技術のひとつであるレーザ粉末床溶融結合法で造形可能なアルミニウム合金を理論計算に基づき設計した。その3Dプリンタ造形材が、従来のアルミニウムより遥かに優れた高温強度を示すことを見出した。
研究では、金属3Dプリンタ技術が複雑な形の金属部材を造るだけでなく、素材にこれまでにない高機能性をもたらすことを示した。また設計合金は、自動車エンジン用圧縮機の回転体部品など、様々な軽量・耐熱部材への適用が期待される。
研究成果は、2023年3月24日付3Dプリンタ技術に関する国際学術誌「Additive Manufacturing」に掲載された。
要点
・新たに設計した2.5%Feと2%Mnを含むアルミニウム(Al-Fe-Mn合金)粉末は、金属3Dプリンタの良好な製造性を示した。
・Al-Fe-Mn合金の3Dプリンタ造形材は、従来のアルミニウムより200℃以上の高温にて遥かに高い強度を示した。
・新たに設計したAl-Fe-Mn合金は、金属3Dプリンタを用いて様々な輸送機器に使用される軽量・耐熱部材への適用が期待される。
(詳細は、https://www.nagoya-u.ac.jp)