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3Dシステムズ、フリート・スペース・テクノロジーズと提携し、次世代衛星用アンテナの3D積層造形を開始

July, 29, 2022--フリート・スペース・テクノロジー社は、Alpha衛星群として140基以上の地球低軌道人工衛星の打ち上げを目指す。

米3Dシステムズ社(3D Systems, Inc)は、 豪フリート・スペース・テクノロジー社(Fleet Space Technologies Pty Ltd)との新たなコラボレーションを発表した。Alpha衛星群に使用する革新的なRFパッチアンテナの製造が実現した。

フリート・スペース・テクノロジー社と3Dシステムズ社のアプリケーションイノベーショングループ (AIG) は、「DMP Flex 350」プリンタによるプロセス開発とブリッジ生産を含むアディティブマニュファクチャリング(金属3D積層造形:AM)ソリューションを構築し、フリート・スペース・テクノロジー社の既存のRFパッチ設計から3週間で小ロット生産に移行することが可能になった。

DMP Flex 350プリンタを、アデレード市ビバリーのフリート・スペース・テクノロジー本社で稼働させ、同社のパッチアンテナを内製化できるようになる。

このアンテナは、航空宇宙企業が環境負荷を最小限に抑えて鉱山探査を行うExoSphere構想の一環として、地球低軌道上で運用される各Alpha衛星に使用される。

フリート・スペース・テクノロジー社は、アディティブマニュファクチャリングがパッチアンテナ設計の形状を実現する唯一の方法であることを認識していた。3Dシステムズ社のAIGは、DMP Flex 350プリンタを使用し、LaserForm AlSi10MgとAl6061-RAM2という2種類の材料でアンテナを製造するプリントプロセスを開発した。

DMP Flex 350の真空チャンバー構造では、25ppm未満の低酸素環境を構築できる。この構造により、アルゴンガスの消費量が大幅に削減されるだけでなく、信号損失を最小限に抑える繊細な機能を備えており、優れた表面仕上げを実現した。

3Dシステムズ社の航空宇宙・防衛部門副社長のMichael Shepard博士は次のように述べている。「フリート・スペース・テクノロジー社との提携は、航空宇宙産業のお客様がイノベーションを加速し、アディティブマニュファクチャリングの応用開発リスクを軽減するための一例です。」

フリート・スペース・テクノロジー社の創設者兼CEOであるFlavia Tata Nardini氏は、次のように述べている。「当社のAlpha衛星群は、地球規模のコネクティビティの可能性を引き出すという当社のミッションへの大きな飛躍となります。それは、重要鉱物の探査をより持続可能で実行可能にするような応用にグローバル規模のメリットをもたらすことです。」

Nardini氏はさらにこう続ける。「この技術によって、当社の社員は、Alpha衛星群の140基以上の低軌道衛星を打ち上げるという自社の夢を実現するための製造プロセスを構築できるのです。」