人の皮膚のように｢感じる｣3Dプリントした指先

April, 28, 2022, Bristol--高感度､3Dプリントされた指先は､作り付けの触覚をそれらに附与することで､ロボットがより器用になり､義手のパフォーマンス改善に役立つ｡

機械は､世界最高のチェスプレイヤーを打ち負かすことができるが､チェスピースや幼児を扱うことはできない｡このようなロボットの器用さの欠如は､一部には､人工の手に人の指先の微妙な触覚がないからである｡指先の触覚は､われわれがものを取り上げ､扱う際にわれわれの手を誘導する｡

Royal Society Interfaceに発表された2つの論文は､人工の指先とヒトの触覚の神経記録を初めて詳細に比較している｡研究を主導したのは､ブリストル大学数理工学科､ロボット工学&AI教授､ブリストルロボット工学研究所､Nathan Lepora｡

｢われわれの研究は､人の皮膚の複雑な内部構造が､どのようにわれわれ人間の触覚を作っているかの解明に役立つ｡これは､ソフトロボティクス分野における素晴らしい開発だ｡3Dプリントできる触覚皮膚は､ロボットをもっと器用にできる､作り付けの触覚を与えることで義手のパフォーマンスを大幅に改善できる｣(Lepora)｡

同教授のチームは､従順な皮膚の下に3Dプリントしたピン状乳頭のメッシュを使い､人工の指先に触覚を作った｡これは､人の触覚皮膚の外側表皮と真皮内層の間にある真皮乳頭を真似ている｡その乳頭は､最先端の3Dプリンタで作製される｡これは､柔らかな材料と硬い材料を混ぜて､生体にあるような複雑な構造を作ることができる｡

｢われわれの3Dプリントした触覚指先が､実際の触覚ニューロンの記録のように見える人工の神経信号を生成できることを確認した｡ヒトの触覚神経は､機械受容器と言う様々な神経末端からの信号を伝達する､つまり接触の圧力や形状の信号を送ることができる｡1981年､PhillipsとJohnsonの古典的研究は､心理学者が利用する一連の標準的な隆起形状を利用して‘触覚空間分解能’を調べるために､初めて､これらの神経からの電気的記録をプロットした｡われわれの研究では､3Dプリントした人工指先が､その同じ隆起形状を‘感じ’ていることをテストし､驚いたことに､その神経データとよく一致していることを発見した｣とLepora教授は説明している｡

｢最も素晴らしい瞬間は､3Dプリントした指先からの人工神経記録を見て､それらが40年以上前の実際の記録のように見えた時である｡その記録は､エッジとリッジの上の丘と窪みで非常に複雑であり､われわれは同じパタンをわれわれの人工触覚データに見た｣(Lepora)｡

研究では､人工の指先とヒトの神経信号との驚くほどの一致を確認したが､それは細部にはそれほど敏感ではなかった｡Lepora教授によると､これは3Dプリントされた皮膚が実際の皮膚よりも厚いためであると考えられる｡研究チームは現在､人の皮膚の微視的スケールで構造を3Dプリントする方法を研究中である｡

｢われわれの目標は､実際の皮膚と同じような､否さらに優れた人工の皮膚を作ることである｣とLepora教授は話している｡
(詳細は､アンカーテキストhttps://www.bristol.ac.uk)