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3Dプリントされた機械読み取り可能な見えないラベル

April, 1, 2022, Cambridge--MITのチームは、対象物についてのデータを分類、蓄積するために3Dプリントされたタグを開発している。

MITの電気工学&コンピュータサイエンスPh.D学生、Mustafa Doga Doganは、MITのコンピュータサイエンス&人工知能ラボ(CSAIL)およびFacebookの研究者と協力して、InfraredTagsを考案した。製品に取り付けられた標準的なバーコードは、剥がれたり、時間が経つと読み取れなくなるかも知れないが、これらのタグは目立たず(見えないから)、遙かに耐久性が高い。標準的な3Dプリンタで作製された物体の内部に埋め込まれているからである。

昨年、Doganは、数ヶ月費やして、IR光が透過する最適な種順のプラスチックを見つけた。それは、3Dプリンタ用に特別に設計されたフィラメントスプールでなければならない。同氏は、ドイツの会社が作製した特注プラスチックフィラメントが有望であることを発見した。次に同氏は、MIT材料科学ラボで分光光度計を使いサンプルを分析した。サンプルは、可視光には不透明であるが、IR光には透明または半透明であることを発見、まさに同氏が探していた特性である。

次は、プリンタでタグを作る技術で実験することだった。1つのオプションは、微小な空隙を彫ることで(0sと1sの代わり)、プラスチック層にコードを作製することだった。もう1つのオプションは、入手できるプリンタが、それに対処できると仮定して、2種のプラスチックを使用し、1つはIR光を透過する、もう1つは、その上にコードを書き込んでいて、不透明。デュアル材料アプローチが、可能であれば、好ましい。それが、より明確なコントラストとなり、IRカメラでの読取りが容易になるからである。

タグ自体は、見慣れたバーコードで構成されており、リニア、1次元フォーマットで情報を提示する。2次元オプション、正方形のQRコードやいわゆるArUco(基準)マーカーなどは潜在的に、同じ面積により多くの情報を詰め込むことができる。MITチームは、「ユーザインタフェース」ソフトウエアを開発した。これは、タグがどう見えるか、特別な物体のどこに現れるべきかを正確に指定する。同じ物体にマルチタグを設置すると、ある角度で視界が遮られている場合に情報へのアクセスが容易になる。

「InfraredTagsは、物体に埋め込んだ情報への実に賢く有用な、アクセスアプローチである」とトロントのAutodesk Technology Centre、Fraser Anderson、シニア主席研究者はコメントしている。「標準的なカメラをどんな物体にも向ける未来を簡単に想像できる。するとその物体に関する情報が現れる。製造された場所、使用されている材料、あるいは修理指示など。すると、バーコードを探す必要さえなくなる」。

研究チームは、これらの線に沿っていくつかのプロトタイプを作製した。1㎜のプラスチックシェルの下、コンテナウォール内に彫り込まれたバーコードを持つマグ。これは、IRカメラで読み取れる。チームは、視点によってネットワーク名あるいはパスワードを明らかにする不可視タグをつけたWi-Fiルータプロトタイプも作製した。また、車輪のような形の安物のビデオゲームコントローラを作製した。それは完全パッシブであり、電子コンポーネントは一切含まない。内部にバーコード(ArUcoマーカー)だけがある。プレイヤは、車輪を時計回り、あるいは反時計回りに回すだけ。すると、安価な(20ドル)IRカメラが、空間でその方向を定める。

将来的に、このようなタグが普及すると、人々は携帯電話を使って光をON/OFFし、スピーカーの音量を制御し、サーモスタットの温度を調整する。研究チームは、ARヘッドセットにIRカメラを付加する可能性を調べている。Doganは、何時の日か、スーパーマーケットを歩き回り、そのようなヘッドセットを装着し、周囲の製品について直ぐに情報を入手するようなことを想像する。1食分のカロリーはどの程度か、それのレシピーは何か、など。

ユニバーシティカレッジロンドンのコンピュータ科学准教授、Kaan Akşitは、この技術には大きな潜在力があると見ている。「ラベリングとタギング産業は、われわれの日常生活の大きな部分である。雑貨屋から購入するものから、デバイス(バッテリ、回路、コンピュータ、自動車部品)に取付られるものまであらゆるものが、正確に特定され、追跡されなければならない。Doganの研究は、普通は、時間の流れに対して保護されている見えないタギングシステムにより、こうした問題に対処する」。また、メタバースのような未来概念が、われわれの日常の一部になると、「Dogaのタギングやラベリングメカニズムは、3D仮想環境を探索する際に、アイテムのデジタルコピー持参に役立つ」とAkşitは、コメントしてている。
(詳細は、https://news.mit.edu)