January, 7, 2022, Potsdam--プリントされたポリマが、加熱すると、予め規定されたように形状を変える。これは、Fraunhofer Cluster of Excellence Programmable Materials CPMで開発された4Dプリンティング技術により、今では可能である。
プリントされた物体の形状変化の範囲は、劇的である。最大63%まで収縮可能。将来的には、4D製造技術を使って、所定の形状になった後にのみ、特別な挙動を示すパーツを造ることができる。たとえば、医療技術、機械工学、自動車や航空機産業でコンポーネントのアセンブリにおける留め具など。
Fraunhofer CPMの研究チームは、いわゆる4Dプリンティングを利用して、プリントされた物体を製造することで利点を著しく拡大する。この技術は、時間次元、1Dを空間次元、3Dに加える。この方法で,物体は、形状記憶ポリマからプリントできる。ポリマは、後に熱に晒されると、実に驚くような仕方で、その形状を変えることができる。約4㎝長の棒状サンプルが、63%まで縮小する。ターゲットを絞った方法では、特殊湾曲も可能である。「われわれは、最初は、比較的簡素なロッド形状で始めるが、究極的に、より複雑な中空シリンダ、中空直方体サンプルを作ることができた。われわれが調べた全ての形状に、予め所望の材料挙動を指定した」とFraunhofer IAP、Dr. Thorsten Pretschは説明している。同氏は、Fraunhofer CPMで、そのプロジェクトをコーディネートしている。
縮小特性と湾曲は、正確に調整可能
温度の増加に対する反応を調整する方法は,一般に2つある。一つは、材料の選択である。ここでは、研究者は、形状記憶特性を持つ新しい熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU)を開発した。チームは、4Dプリンティングで得られた成果が、別の熱可塑性ポリマにも移行可能であることも示した。バイオベースポリマポリ乳酸(PLA)から、収縮可能なプリント物体を製造した。第2の可能性は、プリンティングプロセスの巧妙な管理にある。「カギは、プリンティング中に材料が冷却する時間がほとんど必要ないことである。その結果、材料に劇的な内部応力が蓄積される。それに続く収縮効果は、極めて顕著である」(Pretsch)。要するに、材料の選択、処理温度、プリンティング速度を利用して、収縮挙動だけでなく、湾曲状態も調整できる。
モノマからメカニカルリサイクルまでの開発
プロジェクトの最初のステップは、材料の開発とその成果をTPUからPLAへの移行。第2段階は、デモンストレータの開発だった。分解は、再加熱により簡単である。プリントされた物体が不要になると、砕いてフィラメントに再利用される。それは、4Dプリンティングに、少なくとも1回以上は使える。コンセプトは、総体的であり、未来志向である。完全循環型アプローチに関しては、モノマ選択やポリマ合成からデモンストレータの4Dプリンティングとそのメカニカルリサイクルまでの全製品サイクルを経験した」とPretschは話している。
Fraunhoferの4機関が、その特殊専門技術で貢献した。Fraunhofer IAPは、形状記憶ポリマを合成、さらに4Dプリンティング技術を開発して、メカニカルリサイクルを実行した。Fraunhofer IWUのLinda Weisheitは、4D材料のプログラム可能な剛性コンセプトを開発した。Fraunhofer ITWMは、デモンストレータ設計のために数学的シミュレーションを行った。実地試験は、Fraunhofer IWMで行った。
(詳細は、https://www.iap.fraunhofer.de)