October, 1, 2024--デスクトップメタル社のバインダージェット3Dプリンター「X25Pro」
米デスクトップメタル社(Desktop Metal)は、リサイクルされたニッケル基超合金を、同社のバインダージェット3Dプリンターで使用することを認定したと発表した。
積層造形(AM)を手掛ける同社は、米コンティニューム・パウダーズ社(Continuum Powders)の独自技術によって処理された「Mar-M247」粉末を、デスクトップメタル社の40種類の金属とセラミックで構成される材料ポートフォリオに、「R&D認定」材料として新たに加えたことを明らかにした。これは、互換性を確認する初期テストが完了し、プリントおよび焼結プロファイルは最終開発段階にあることを意味する。この材料は、デスクトップメタル社のバインダージェット3Dプリンター「X25Pro」で使用可能で、最大で1000℃の高温での高強度を必要とする用途に適しているとされている。
「当社の積層造形技術に対する高品質で持続可能な粉末オプションの明るい未来を感じている」と、デスクトップメタル社の最高経営責任者(CEO)を務めるリック・フュロップ氏(Ric Fulop)は述べている。「多大な投資収益率を実現する、環境に配慮したリサイクル材料が次々と現れることを当社は期待しており、コンティニューム・パウダーズ社の100%再生金属粉末を認定したことは、その最初の一歩にすぎない」(フュロップ氏)。
コンティニューム・パウダーズ社は、高性能で持続可能な金属粉末を製造しており、同社のGreyhound M2Pは、金属副産物を単一の処理ステップで製造用のリサイクル粉末に変換できる技術である。コンティニューム社は、産業界の脱炭素化に特化したプライベートエクイティ投資会社Ara Partnersのポートフォリオ企業で、同社のプラットフォームは、脱炭素化とサステナビリティに貢献しつつ、高品質の球状金属粉末を提供するとされている。2024年初頭には、100%リサイクルされた金属粉末を提供する企業として初めて、米ベロ3D社(Velo3D)の3Dプリンター「Sapphire」での合金の使用が認められ、8月には、米ナストゴッドウィン社(Knust-Godwin)が、ある石油・ガス分野の大規模顧客を支援するプロジェクトに対する独占的な金属粉末プロバイダーとして同社を選定した。
「再生金属粉末が、デスクトップメタル社をはじめとする主要なAM OEMに認定されつつあるという事実は、これらの材料が今や製造業者にとって、実証された資源であることを示している」と、コンティニューム・パウダーズ社のCEOであるロブ・ヒグビー氏(Rob Higby)は述べた。「リサイクル粉末を使用すれば、サプライチェーンを短縮し、コストを削減し、カーボンフットプリント削減に向けた企業目標を推進することができる」。