March, 22, 2024, Centennial--アストン大学が3Dバイオプリンタの多額の資金提供を受け、身体の仕組みに関する新たな研究が可能になる。
アストン大学は、Biotechnology and Biological Sciences Research Council(BBSRC)から612,176ポンドの助成金を受けて、最先端のQuantum Xバイオ3Dプリンタを入手する。
助成金を受け取ったチームは、アストン薬科大学のRhein Parri教授が率いており、BBSRCのALERT 2022のバイオサイエンス研究用ミッドレンジ機器の資金提供募集に応えて応募した。
BICO傘下のNanoscribe社とCELLINK社の共同製品であるQuantum Xバイオプリンタにより、研究者らは、脳や肝臓などの体内の臓器に見られるものと同様の向きで細胞をプリントできるようになる。脳内のニューロンのような細胞の構造と向きは、それらがどのように相互作用し、接続するかに影響を与えるため、細胞や組織を3Dプリンティングできることで、研究者はそれらをよりよく研究し、体の仕組みをより深く理解することができる。
Quantum X bioは、2光子重合(2PP)を利用して、3D構造を非常に正確にプリントする。2PP重合プロセスでは、レーザビームが当たった場所で固体に重合する感光性液体にレーザを集束させる。レーザは液体内を3次元で動き回り、目的の固体構造を生成する。残った液体は全て洗い流され、構造物が使用可能になる。Quantum X bioは、生体適合性ポリマを使用して、200 nmのサイズまでの特徴を含む構造をプリントし、多くの新しい研究分野を切り開く。
Parri教授は、アストロサイト(星状膠細胞)と呼ばれるヒト脳細胞のネットワークの成長をサポートする3Dプリント構造を作成するチームのリーダー。標準的な2D培養では、アストロサイトは行き当たりばったりのネットワークを形成するが、バイオプリンタを用いることで、研究者たちは脳に見られるような、より秩序立ったネットワークを作ることができるようになる。今後は、睡眠やシナプス可塑性といった記憶や学習に重要なメカニズムである脳機能におけるアストロサイトの機能を調べることができる。
Parri教授は、Quantum X bioが研究協力を促進し、細胞生物学、organs-on-a-chip、マイクロ流体工学などの科学コミュニティを結集し、知識を共有することを期待している。この設置は、アストン大学の工学部の先進プロトタイプ施設の3Dプリンティングに関する専門知識を補完し、強化するものである。
Parri教授は、「この新しいバイオプリンタは、アストン大学とWest Midlandsで3Dプリンティングを実施し、基礎生物学および組織工学研究で新しい発見をするためのわれわれの能力を変革する」とコメントしている。
(詳細は、https://www.aston.ac.uk)