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GKNエアロスペース社、ニコンSLMソリューションズ社の3Dプリンター「NXG XII 600」を2台発注

October, 3, 2023--「より優れた、よりサステナブルな航空宇宙製品を製造するためのわれわれの旅路における重要なマイルストーンだ」

ローラ・グリフィス

英GKNエアロスペース社(GKN Aerospace)は、2台の大型金属積層造形システムを独ニコンSLMソリューションズ社(Nikon SLM Solutions)に発注した。

ティア1の航空宇宙サプライヤである同社によると、12基のレーザを搭載する3Dプリンター「NXG XII 600」2台は、「より優れた、よりサステナブルな航空宇宙製品」を製造するという同社のミッションにおける重要なマイルストーンを表すもので、In718とTi64で製品を造形するために使用される予定だという。

「ニコンSLMソリューションズ社との提携は、より優れた、よりサステナブルな航空宇宙製品を製造するためのわれわれの旅路における重要なマイルストーンだ」と、GKNエアロスペース社の中に新たに設けられた材料ソリューション事業部門であるパーマノヴァ(Permanova)のバイスプレジデントを務めるマーティン・ソーデン氏(Martin Thordén)は述べた。「この協業によって当社は、ネットゼロの目標に向けた取り組みを加速するために必要な、最先端の積層造形機能を利用できるようになる」(ソーデン氏)。

GKNエアロスペース社は、12カ国で38の製造施設を運営しており、世界の航空機およびエンジンメーカーの90%以上に部品を供給しているとされている。同社は2022年に、米国の積層造形CoE(centre of excellence:研究拠点)を、同社4拠点目となるGlobal Technology Centreに転換し、航空宇宙顧客に対するチタン3Dプリント能力を拡大する計画を発表した。今回の最新の装置発注は、大型金属3Dプリントに対するGKNエアロスペース社の投資の一環である。同社は最近、ワイヤ金属供給のレーザ金属堆積(laser metal deposition with wire:LMD-w)システム「Cell 3」の稼働をテキサス州で開始させている。このシステムによって、5mのチタン部品の開発が可能だという。

ニコンSLMソリューションズ社の最高経営責任者(CEO)を務めるサム・オリアリー氏(Sam O’Leary)は、次のように述べた。「ニコンSLMソリューションズは、GKNエアロスペース社との協業を光栄に思う。当社のNXG XII 600システムの統合は、最先端技術によって推進される航空宇宙の未来を象徴するものである。この極めて重要なフェーズに足を踏み入れる中で、われわれの共同能力は間違いなく、航空宇宙製造における新たな基準を打ち立てるだろう」。

株式会社ニコン傘下のニコンSLMソリューションズ社は、NXG XII 600を2020年終盤に発表した。同社はその後、同機の拡張版である「NXG XII 600E」を発表し、2022年のFormnextではさらに大きな金属3Dプリンターを先行披露した。この最新機は、最大3.0 x 1.2 x 1.2 mの部品がプリント可能だという。同社の大型装置は、米ダイバージェント・テクノロジーズ社(Divergent Technologies)、米シンタビア社(Sintavia)、米コリンズエアロスペース社(Collins Aerospace)などの企業によって既に導入されている。