January, 7, 2022, Vienna--自然組織のトポグラフィを真似た細胞モデルは、生物医学研究の新時代の到来を告げる。
2Photon 3D-プリンタとヒドロゲルベースバイオインクの組合せにより、中およびマイクロスケールの両方で生細胞を含む3D構造の直接プリントが可能になる。UpNano GmbH(ウイーン、オーストリア)が開発したNanoOne Bioは、成功したレーザ出力2Photon 3D-プリンタ、NanoOneをベースにしたプリンタである。2Photon 3D-プリンタは、12桁にわたる構造をプリントできる。新しいヒドロゲルは、Xpect INX (Ghent, ベルギー)との共同開発。同社は、3D-(bio-)プリンティング産業向け生体適合材料の開発を専門にしている財団のスピンオフ。ヒドロゲルは、生物学的アプリケーション向けに非常に高精度の3Dプリント構造内で培養皿からの埋込生細胞を可能にする唯一、市販のレジンである。
2D細胞培養は、製薬前臨床R&Dやバイオメディカル研究一般では、長年、標準だった。しかし、これらのモデルが、生きたシステムでは3Dレベルで細胞の相互作用を正しく表していないことを示す証拠が増えている。したがって、2Dシステムに基づいた薬剤開発は、誤りがよくあり、数十億ドルの無駄なR&Dコストになっている。これまで、複雑で非常に正確な埋込生細胞の3D構造の構築は、適切な材料とプリンティングシステムの欠如によって阻まれてきた。UpNanoの新しいプリンティングモデルと組み合わせたXpect INX と UpNanoによる新しいヒドロゲルベースのBioinkの共同開発により、今では、この取組は、現実になった。
装置と材料
「3Dプリンティングデバイスを開発するUpNanoと3Dプリンティング用に革新的材料をデザインするXpect INXとの統合力が、よく固まった」とUpNanoの共同創始者、技術長、Peter Gruberはコメントしている。「われわれは、生体適合性が高いヒドロゲル、X Hydrobio INX U200を共同開発した。同時にわれわれは、市場で最大範囲のプリントサイズを提供する2Photon 3Dプリンティングデバイスを売り出した」。 X Hydrobio INX U200は、水溶性ヒドロゲルである。したがって、2D培養プレートからの細胞培養を完全な3D構造に移すこどできる。「ゼラチンベースX Hydrobio INX U200は、特にマルチセルタイプのエンカプセル向けに開発された。それにより、完全な3Dマイクロ組織の生成が可能になる」とXpect INX のプロジェクトリーダー、Jasper Van Hoorickは話している。「そのヒドロゲルは自然の細胞環境を模擬しており、生分解性である。したがって,細胞は,その材料を新たに形成される組織と徐々に置き換える」。そのゲルが、細胞培養が2Dで培養される標準的な培地が直面する問題を解決する。これに続いて、生細胞を含むヒドロゲルは直接NanoOne Bioに供給される。これは、UpNanoが開発した極めて正確な2Photon 3Dプリンタである。広範な研究で分かったことは、NanoOne Bioの780nm赤色レーザ光は、生細胞にとって有害でないと言うことである。たとえ、NanoOneプリンタで使われる、並外れたハイパワーでも害を及ぼさない。したがって、ナノメートルスケールまで、非常に高精度にセンチメートルの大型構造の高速製造を可能にするオプティクスが利用できる。
(詳細は、https://www.upnano.at)