December, 15, 2021--
EOS社のアルミニウム合金材料「Al2139 AM」で3Dプリントされたホイールキャリア(提供:EOS社)
独EOS社は、同社の金属3Dプリントのポートフォリオに新たな材料を追加したことを発表した。この材料によって「部品の大幅な軽量化」が可能となり、「より費用対効果の高い製造」が実現されるとしている。
EOS社のアルミニウム合金材料「Al2139 AM」は、積層造形(AM)を手掛ける同社がこれまでに提供してきた材料の中で、最高の強度を備えるとされている。まずは2022年初頭に「EOS M 290」を対象に提供を開始し、その後EOS社の他のDMLS(直接金属レーザ焼結)システムにも提供される予定だ。
この材料は、200ºCまでの昇温状態における高い性能、良好な耐食性、高い強度を備え、利用者は強度を損なうことなく、より軽量な部品を製造することができる。その性質は、航空、輸送、レース、宇宙業界のメーカーに訴求するだろうと、EOS社は述べている。
また、熱処理が単一工程で済むため、EOS社によると、実質的な熱処理時間を最大88%削減できるという。処理後のAl2139 AMは、約500 MPa(メガパスカル)の降伏/引張強度を達成し、同材料を使用した部品にはその後、電解研磨および陽極酸化処理を施すことが可能である。
EOS社の金属材料担当シニアバイスプレジデントを務めるサッシャ・ルドルフ氏(Sascha Rudolph)は次のように述べた。「EOS社は、必要材料量の削減と製造プロセスの能率化を図りつつ、当社顧客が製造する部品の性能改善に常に努めている。EOS社のアルミニウム合金材料Al2139 AMは、革新的な材料をメーカーの手に渡すためのそうした取り組みの集大成である」。
新材料の発表は、11月のFormnextで行われた。同社はFormnextで、持続可能な金属粉末の共同開発を目指して、オーストリアの金属材料企業であるMetalpine社の株式を取得したことも発表した。
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