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フラウンホーファーIPK、Wayland Additive社の電子ビーム方式3Dプリンターを導入-材料とアプリケーションの可能性を拡大へ

November, 28, 2024--英ウェイランド・アディティブ社(Wayland Additive)は、同社の金属プリンター「Calibur3」1台を、独フラウンホーファーIPK(生産システム・デザイン技術研究所:Fraunhofer Institute for Production Systems and Design Technology)に販売した。

英国を拠点とする積層造形企業のウェイランド社は、2024年11月に開催されたFormnextでこの販売を認め、ドイツの研究開発組織であるフラウンホーファーIPKは、同社の「NeuBeam」テクノロジーのユニークなメリットを導入するのに「理想的な場所」であり、新しい金属AM(積層造形)アプリケーションの開発に注力するためにこれを利用する予定だと述べた。

ウェイランド社の声明によると、フラウンホーファーIPKは、レーザーベースのAM技術について研究しつくした結果、同技術の物理的限界に達したと感じたために、eBeam(電子ビーム)への投資を決断したという。NeuBeamは、チタンアルミナイドやCM247といった材料の加工の可能性を広げ、粉末ベースのプロセスに一般的に伴う、後処理工程を適時に行う必要性をなくすと考えられている。

フラウンホーファーIPKの製造技術部門責任者であるトビアス・ノイワルド氏(Tobias Neuwald)は、ウェイランド社のeBeam技術について、「電子ビーム溶融における今日の課題に対処するためにわれわれがまさに必要とするもの」であり、同機構による新しい材料の加工と新しいアプリケーションの開拓を可能にすると述べた。

ウェイランド社の最高経営責任者(CEO)を務めるウィル・リチャードソン氏(Will Richardson)は次のようにコメントした。「Calibur3システムをまた1台販売したという今回の発表は、金属AM分野の継続的な成長と、先進的な材料を対象とした生産システムに対する需要を示す証しである。今後もフラウンホーファーIPKと協力して、さらに多くの生産アプリケーションを加速させていきたいと思う」。

ウェイランド社は2024年初頭に、世界的な顧客基盤の拡大と、同社の金属AMシステムの社内生産能力の向上を可能にするために、さらに420万英ポンドの資金を確保した。同社の金属AMシステムは、米EWI社や英国空軍(Royal Air Force:RAF)などに既に導入されている。