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SPEE3D社、コールドスプレー金属積層造形を日本の陸上自衛隊に導入へ

October, 3, 2023--3Dプリントシステム「WarpSPEE3D」と「XSPEE3D」が陸上自衛隊に導入される。

オリバー・ジョンソン

SPEE3D社のバイロン・ケネディCEO(左)と白川訓通陸将補(右)

豪SPEE3D社は、3Dプリントシステム「WarpSPEE3D」と「XSPEE3D」を陸上自衛隊(JGSDF)に供給する契約を、日本防衛省と締結し、同社の3Dプリント能力を日本に拡大することを発表した。

SPEE3D社によると、WarpSPEE3Dは世界初の大型金属3Dプリンターで、従来の製造方法よりも高速で、費用対効果とスケーラビリティに優れた生産を可能にするという。最新機種であるXSPEE3Dは、防衛分野を特に対象として開発された、コンテナ式の堅牢で現場に配備可能な金属3Dプリントシステムである。

XSPEE3Dは、金属部品を一カ所で造形するために「必要なすべての機能」を搭載するとSPEE3D社は述べている。どちらのシステムにも、SPEE3D社の特許取得済みのコールドスプレー積層造形(cold spray additive manufacturing:CSAM)技術が採用されている。

「当社のプレゼンスを日本とAPAC(アジア太平洋)地域に拡大することをうれしく思う」と、SPEE3D社の最高経営責任者(CEO)を務めるバイロン・ケネディ氏(Byron Kennedy)は述べた。「日本の自衛隊と提携して、XSPEE3Dプリンターを現場で使用するための訓練と準備を部隊に提供することにも胸躍らせている。オンデマンドで迅速に部品を製造することができれば、彼らにとって最も差し迫ったサプライチェーンの問題の解消につながるだろう」(ケネディ氏)。

SPEE3D社は、防衛分野には、部隊が一般的に配備される現場のリアルタイムなニーズに応じて、よく知られた合金からすばやく部品を製造することのできる積層造形技術が必要だとしている。

SPEE3D 社によると、同社の協力を得て自衛隊は現在、重大な局面において必要性が生じた時点で、「記録的な時間」で部品を製造する能力を手に入れることになるという。同社は陸上自衛隊に対して、XSPEE3Dを用いた実戦的な演習プログラムを含む、両方のプリンターのトレーニング、サポート、メンテナンスを提供する予定だ。