October, 3, 2023--HII社とGDEB社は、認証された3Dプリント部品の使用は、米海軍に対する潜水艦の構築と供給の加速化につながる可能性があるとしている。
オリバー・ジョンソン
米HII社(Huntington Ingalls Industries)の一部門であるニューポート・ニューズ造船所(Newport News Shipbuilding:NNS)と米GDEB社(General Dynamics Electric Boat)は、3Dプリントを原子力潜水艦の造船工程に組み込むための取り組みが前進したことを発表した。
HII社とGDEB社は、認証された3Dプリント部品の使用は、重要なコンポーネントのリードタイムを短縮することによって、米海軍に対する潜水艦の構築と供給の加速化につながる可能性があるとしている。
両社は、3Dプリント向けに開発された銅ニッケル合金などの耐海水性に優れた合金の可用性と導入に着目し、従来の銅ニッケル合金の鋳造の代わりに3Dプリントを使用することを検討していた。そして最近、銅ニッケル合金の甲板排水アセンブリを、3Dプリントソリューションの適用候補として特定した。
NNSは、造船パートナーであるGDEB社とサプライヤーの米AMMCON社とともに、モデル化と概念検証を行い、3Dプリントによる銅ニッケル製甲板排水部品の製造に成功した。この部品は、AMMCON社が最終加工と組み立てを行い、NNSが納入するバージニア級原子力潜水艦「オクラホマ」(SSN 802)に搭載される。
「当社は造船用の積層造形のリーダーとして、主流の造船工程にこの技術を組み込む方法を見出すための機会を、積極的に模索している」と、NNSのエンジニアリングおよび設計担当バイスプレジデントを務めるデイブ・ボルカー氏(Dave Bolcar)は述べた。
ボルカー氏は次のように続けた。「この協調プロジェクトでは、低リスクの積層造形部品に対する要件を簡素化する、海軍による承認を活用している。それが可能なのは、積層造形用の耐海水合金を造船に適用するために当社のエンジニアが、それよりも長期間にわたって将来を見越した開発を行ってきたからである」。