October, 3, 2023--オリバー・ジョンソン
AC3D社の創設者兼CEOのボリス・コズロブ氏、同社製プリンター1機とともにドバイにて
米国を拠点とする建設3Dプリント企業のAC3D社は、アラブ首長国連邦(UAE)での事業を開始することを発表した。AC3D社は、低層住宅、商業施設、インフラをターゲットとしており、建設のより環境に優しい時代に向けた「土台作り」を行うとして、最大で1.5倍コスト効率を高め、労働力を低減させることを公約している。
AC3D社は、建設プロセスの加速化を目指し、サステナブルな3Dプリント材料を使用しつつ、速度を最大4倍向上させるとしている。3D建設プリント市場の規模は、2023年の5億米ドルから2025年には25億米ドルに達する見込みだと、同社は主張している。
AC3D社の創設者兼最高経営責任者(CEO)のボリス・コズロブ氏(Boris Kozlov)は、次のように述べた。「CO2排出量の削減と廃棄物の最小化に加えて、当社の垂直統合技術は、エネルギー効率の高い住宅に向けた道を開き、フリーフォームの建築デザインの構築を可能にし、建設廃棄物を削減し、自然災害に対する耐性を確保する」。
同社によると、UAEで組み立てられる予定の同社の建設3Dプリンターは、国連の持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)に沿った、さまざまな環境的メリットを提供するという。建設業界は現在、世界最大の廃棄物排出源であり、世界のカーボンフットプリント(CO2排出量)の主要要因の1つだと、AC3D社は述べている。
同社によると、セメント生産はCO2排出量の10%を占めるという。
AC3D社は、サステナビリティだけでなく、「経済と人類」に対する3D建設プリントの影響は非常に大きいと述べている。同社によると、1台の3Dプリンターで年間50棟以上の住宅を建設することが可能で、それは、2025年までに16億人に影響を与えると予測される、世界の住宅不足を解消するための重大な一歩だという。
AC3D社は、建設3Dプリントシステムの製造に加えて、独自の3Dプリント混合材料の開発や、建設プロセスの効率化を目的とした高度なソフトウェアソリューションの開発のほか、建造物全体の設計と3Dプリントも専門としている。