3Dプリント義肢市場規模、2030年に23億ドル

November, 11, 2022, San Francisco--Grand View Researchのレポートによると、世界の3Dプリント義肢市場規模は、2023－2030年にCAGR 7．7%成長で、2030年に23億ドルに達する見込である。
　3Dプリントされた義肢は､従来のサブトラクティブ法よりも積層造形(AM)技術を利用して人工の身体部位を製造する医療分野。市場の成長を後押しする主因は、そのような医療機器の製造コストが、AM利用により下がり、多くの人々が、より利用しやすくなること。義肢・装具は、3Dプリンティング技術に最適である。プラスチック製であり、個々の患者に合わせた理想型でなければならないからである。

WHOは、世界中に約3000万人が義肢を必要としていると推定している。3Dプリンティング技術の採用は、特に遠隔地域では、個人にとっての可用性増に役立てられる。そのような要因は、患者の快適性、カスタマイズの容易性と相俟って、市場の成長を後押しすると予想されている。身体モデリングの進歩、Body Labsなどのプレイヤからの3Dスキャニング技術が、個人の四肢の3Dスキャンを可能にし、それらを手本にした義肢が可能になり、より自然な調和と外観ができるようになる。

COVID-19の出現はAM市場に影響を及ぼした。パンデミックがサプライチェーンのボトルネックとなり、2020年の最初の四半期ではほとんどが製造閉鎖となったからである。とは言え、3Dプリンティング市場は、パンデミック後に著しい上昇となった。これが、ディスラプティブ技術であり、医療機器供給不足に歯止めをかける潜在的なソリューションとして出てきたからである。さらに、3Dプリント義肢市場の主要プレイヤは、2021年に売上増をレポートしており、これは市場がCOVID-19の影響から回復し、今後は著しく成長することを予想させる。

レポートの要点
・四肢タイプセグメントが、予測期間に市場で優勢の見込。これは､四肢で3Dプリント義肢需要が、他の身体の部分よりも高いからである。
・ポリプロピレン材料セグメントが、予測期間に急成長の見込。それが、3Dプリンティング使用される標準材料だからである。
・病院エンドユーザセグメントが、市場で優勢。大半の補綴治療が、プロの補綴外科医がいる病院で行われるからである。
・北米は、最高シェア。補綴治療に対する認識が高く、市場プレゼンスによる。
・APAC地域は、CAGR 8.5%で成長する見込。アジア諸国における事故事例数が増加しているからである。