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3Dプリンティング市場規模、2030年に761億7000万ドル

April, 28, 2022, San Francisco--Grand View Researchのレポートによると、世界の3Dプリンティング市場規模は、2030年に761億7000万ドルに達する見込である。市場は、2022-2030年にCAGR 20.8%で拡大すると予測されている。
 3Dプリンティング(3DP)は積層造形とも言われている。アディティブ法を使用して、様々な2D形状で材料層を連続的に追加するからである。これら層状2Dが、互いの上に構築されて3D物体を形成する。そのプロセスは、サブトラクティブ法製造とは異なる。これは、材料の塊から始まり、不要な材料を砕いて所望の物体を得る製法。

3Dプリンティングは、産業分野で広く採用されている。製品製造強化の必要性が高まり、市場投入までの時間を短縮することが目的。産業分野は、期せずして、3Dプリンティング技術の最も重要な採用者であり、最終的に予測期間に産業アプリケーション向けの3Dプリンタの最大市場シェアとなる見込である。積層造形は、予測期間に進化すると見られている。

3Dプリンティングは、ホビーイストやイノベータの間で引き続き好評を博している。個人が家庭や個人的目的のために3Dプリンティングを使用しているが、大学や教育機関も技術訓練実施のために3Dプリンティングを利用している。市場は、単なる労働集約的製造技術というよりもむしろ、極めて経済的な様相を示しがちである。特に、ブラジル、南アフリカ、インドなど発展途上経済では、機械加工工場は、3Dプリンタを導入し、関連のサービス、3Dプリンティング材料、フィラメント、3Dモデリングおよび3Dプリンタソフトウエアを提供することで、代替となるビジネスモデルを採用しようとしてきた。

業種はさておき、自動車、ヘルスケア、航空宇宙&防衛業種は、中でも、3Dプリンティング技術の先行採用者である。これらの業種の大手は、正確さ、強化された製品設計、信頼性、市場投入までの時間短縮、経済的な製造プロセスを重視している。AMがこれらの利点の全てを提供できると考えると、自動車、ヘルスケア、航空宇宙&防衛業種による3Dプリンタの採用は、予測期間に勢いづくと期待されている。

3Dプリンティングと関連技術は、積極的なR&D活動、私的および公的分野による積極投資とともに継続的に進化している。先進国経済における政府の助成と奨励策の採用によりメーカーは、技術の改善、新技術の採用の追求に駆り立てられている。

2021年、北米は30.0%を超える最大収益シェアを占めた。これは、複数の産業で3D設計、3Dモデリング、3D製造のために3Dプリンタが広範に導入された結果である。APAC地域は、製造ハブとして登場してきた。これは、拡大する消費基盤、同地域への海外から継続的投資によるものである。APAC市場は、予測期間に著しく成長すると期待されている。

3Dプリンティング技術は、図らずも資本集約的技術である。同時に、メーカーは、3Dプリンティングに関わる利点に気づくのではなく、プロトタイピングについての勘違いに囚われている。さらに、市場には、3Dプリンティングに求められる標準的なプロセスコントロールや熟練労働力が欠如している。これらは、市場の成長を阻害する要因の一部と考えられている。とは言え、3Dプリンタ採用の利点について認識を高め、採用を促進する政府の政策が、市場の制約に対抗すると期待されている。

3Dプリンティング市場レポートのハイライト
・3Dプリンティング技術は、勢いづいている。これは、正確で迅速なプロトタイピングを提供する、またTime to Marketを最適化する技術力によるものである。ヘルスケア、自動車、コンシューマエレクトロニクス業種における3Dプリンタの採用増が、市場を大きく成長させると見られている。
・2021年、プロトタイピングアプリケーション分野が優勢だった、予測期間もそのリードは維持される見込である。
・2021年、金属材料セグメントが市場をリードした。これは予測期間も維持される見込である。原因は、自動車や航空宇宙&防衛などの産業業種からの金属3Dプリンティング需要の増加。
・デスクトップ3Dプリンタタイプセグメントは、教育目的、ファッションと宝石、オブジェクト、歯科、食品、その他に分けられており、予測期間に3Dプリンティング技術の積極採用が見込まれている。
・デスクトップ3Dプリンタ需要は、予測期間に増加するとみられている。3Dプリンティングが、ホビイストの間で好評を博しているからである。目的は、家庭、個人利用。また訓練目的で教育分野でも人気が出ている。
・APAC市場は、複数の産業業種の製造ハブとなっており、大きな成長が予測されている。継続的な都市化が、インフラストラクチャの必要性のトリガーとなり、自動車、コンシューマエレクトロニクス、航空宇宙&防衛、ヘルスケア業種が3Dプリンティングを採用しているからである。特に中国、日本、韓国を含む国々でこの傾向が見られる。