December, 15, 2021--
3Dプリンタ「BigRep PRO」
大型3Dプリンタメーカーの独ビッグレップ社(BigRep)は2021年11月に開催されたFormnextで、同社の最新世代製品として、主力プラットフォームである「BigRep PRO」と「BigRep ONE」のアップグレード版を発表した。
1m四方の造形が可能な工業用3DプリンタであるBigRep PROには、ソフトウェアとハードウェアの新しいハイブリッドソリューション「BigRep JUMPSTART」が搭載されており、これによって手動でのプリント準備作業を行うことなく、数分でプリントを開始することができる。主に次の3つの主要要素に、改良が加えられている。1つめは、取り外し可能でフレキシブルなプリントベッド面であるSWITCHPLATEで、接着剤や工具を使うことなく、造形物を容易に取り出せるようになっている。2つめは、LOCKSTAGEで、労力を要することなく正確かつ安全に押出機をマウントできるようにすることで、プリント処理全体の精度を向上させている。3つめは、MXT Controls Systemで、最適な第1プリント層を確保することにより、プリントベッドや押出機の手動での調整を不要としている。BigRep PROは、実物大のプロトタイプ製作、工場用工具、型枠、鋳型、最終使用部品のプリントに最適とされており、今回新たに繊維充填材料に対応したことで、PA12-CFなどの繊維充填フィラメントを使用したプリントも可能になった。
デザイナー、パターンメーカー、研究者をターゲットとするBigRep ONEには、より軽量で精密なポータルが装備され、ユーザーのニーズに応じた設定が可能になっている。シングル、デュアル、ツインの各押出機モードと、エンクローズド筐体などのアドオンが選択可能で、そのすべてが要件変更に応じて変更可能である。また、パーソナライズの総仕上げとして、プリンタ本体の色までが、利用者の好みに合わせて変更可能となっている。
ビッグレップ社のマネージングディレクターを務めるスベン・サーテ博士(Dr. Sven Thate)は次のように述べた。「当社の多種多様なハードウェア、材料、プロセス、ソフトウェア、そして制御技術が組み合わされた、新しい積層造形ソリューションを発表することに、喜びと誇りを感じている。新しいBigRep PROは、当社の工業ユーザーの生産性と使いやすさを念頭に開発されている。一方、手ごろな価格の初代大型3DプリンタであるBigRep ONEは、『THINK BIG』をモットーにイノベーションを追求するすべてのユーザーを対象に、さらに使いやすく、カスタマイズしやすい形に進化している」。
オリジナルコンテンツ:TCT Magazine International
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