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KIT、AMを高速化するマイクロシートレーザマイクロプリンティング

October, 15, 2022, Karlsruher--Cluster of Excellence “3D Matter Made to Order”の研究者は、赤と青のレーザビームを交差させることでマイクロ構造をプリントする。研究成果は、Nature Photonicsに発表された。

多くの3Dプリンティングプロセスの目標は、プラスチック物体を正確、迅速かつコストパフォーマンスよくプリントすること。しかし、スピードと高分解能は、まだ技術的な課題のままである。カールスルーエ工科大学(KIT)、ハイデルベルク大学、クイーンズランド工科大学(QUT)の研究チームは、この目標に向けて大きく前進した。チームは、一瞬でミクロンサイズのパーツをプリントできるレーザプリンティングプロセスを開発した。国際研究チームは、成果をNature Photonicsに発表した。

ステレオリソグラフィ3Dプリンティングは、現在、プラスチックではプライベートおよび産業アプリケーションの両方で、最も普及しているAM製造プロセスの一つである、ステレオリソグラフィでは、3D物体の層がレジン入り容器に連続的に投影される。レジンは、UV光で硬化される。しかし、以前のステレオリソグラフィプロセでは、遅く、分解能も低すぎる。KIT研究者が使用する3D光シートプリンティングは、高速で高分解の置き換えとなる。

2段階で2色3Dプリンティング
 光シート3Dプリンティングでは、青色光は、液体レジン入りの容器に照射される。レジンは、青色光で予め活性化されている。第2段階で、赤色レーザビームが、レジン硬化に必要な追加のエネルギーを供給する。しかし、予め活性化された状態から元の状態へ素早く戻るレジンだけが、直ぐに3Dプリンティングでプリント可能になる。その時に初めて次のレイヤがプリントできる。リターンタイムは、結果的に、2つの連続シフト間の待ち時間を示しており、したがってプリンティング時間を指示する。「われわれが使ったレジンでは、リターンタイムは100µs以下、これは高速プリンティングを可能にする」と論文の筆頭著者、KIT 応用物理学研究所(APH)のVincent Hahnは説明している。

一瞬でマイクロメートルサイズ構造
 この新しいレジンを活用するために、研究チームは、特殊な3Dプリンタを構築した。このプリンタは、高分解能、高フレームレートのデイスプレイを利用し、青色レーザダイオードを使って画像を液体レジンに投影する。赤色レーザが、薄い「光シート」ビームに形成され、レジンで垂直に青色ビームとクロスする。このセットアップで、チームは、数100ms、瞬く間にマイクロメートルサイズの3Dパーツをプリントすることができた。しかし、それはそのままではない。「もっと感度が優れたレジンでわれわれは、レーザの代わりに、われわれの3DプリンタでLEDsさえ使うことができた。究極的にわれわれは、マイクロレベルの分解能と高いプリンティング速度を維持しながらセンチメートルサイズの3D構造をプリントしたい」とAPHのMartin Wegener教授は、コメントしている。

(詳細は、https://www.kit.edu)