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3Dプリンタ活用 見えない地熱資源の流れを推定する手法の開発と検証

June, 30, 2022, 仙台--東北大学流体科学研究所の鈴木杏奈准教授、同大学院工学研究科橋田俊之教授ら、米コーネル大学Robert Frederick Smith記念化学生体分子工学部のAdam J. Hawkins博士研究員は共同で、温度の計測結果を利用することで、地下に戻した水の再加熱に大きく影響する流路表面積を推定する手法を開発した。
 さらに3Dプリンタを用いた流動実験を通して、推定手法の検証を行った。その結果、3Dプリンタで作製した模擬地下構造の推定も誤差の範囲内であり、また、フィールドへ適用した場合も、他の測定値や数値計算の結果と整合的な結果を示した。
 この研究成果によって、地熱発電所の電力生産予測、持続的な開発戦略に貢献できると期待できる。

地熱開発では、発電に利用した水を地下に戻して、地下の熱で温めた熱水・蒸気を再び発電に利用するという能動的な水循環を作り出すことができれば、持続的な開発を進められると考えられている。しかし、冷めた水を戻すことで地下が冷えてしまい、蒸気や熱水の生産自体に影響を与えてしまうのではと恐れて積極的に開発に導入されてきなかった。

この研究成果は、2022年6月13日、世界最大規模の学術出版社Elsevierが発行する地熱学の学術誌「Geothermics」に掲載された。
(詳細は、http://www.tohoku.ac.jp)