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潜在的ゲームチェンジャー超音波3Dプリンテング技術

June, 7, 2022, Montreal--カナダのコンコーディア大学(Concordia University)の研究者によると、新しいプラットフォームは、超音波を使って複雑で精密な物体を作る。
 現在使われているほとんどの3Dプリンティング法は、フォト(光)またはサーモ(熱)のいずれかに依存し、反応を活性化させてポリマの精密操作を達成する。ダイレクトサウンドプリンティング(DSP)という新しいプラットフォーム技術は、新しい物体の製造に音波を利用するもので、第3のオプションになる。

プロセスは、Nature Communicationsに発表された論文に説明されている。集束超音波を使って微小なキャビテーション領域に音響化学反応、基本的に微小バブルを起こすことができる。1兆分の1秒続く極端な温度と圧力は、既存技術ではできないような予め設計された複雑な形状を生成できる。

「超音波周波数は、組織や腫瘍のレーザアブレーションのような破壊的処置ですでに使用されている。われわれは、それらを使って何かを作りたかった」とGina Cody School of Engineering and Computer Scienceコンコーディアリサーチチェア(Concordia Research Chair)、Muthukumaran Packirisamy教授は言う。同氏は、論文の責任著者。主筆は、コンコーティアのOptical-Bio Microsystems Labの研究助手、Mohsen Habibi。共同著者は、Shervin ForoughiとVahid Karamzadeh。

超精密反応
研究者の説明では、DSPは、液体ポリマ溶液内に浮遊する微小バブル内部の変動圧によって起こる化学反応に依存している。

「一定の周波数とパワーのある主の超音波を利用すると、極めて局所的、非常に集中した化学反応領域を作れることを見いだした。基本的に、バブルをリアクタとして使って化学反応を促進し、液体レジンを固体あるいは半固体に変換できる」とHabibiは説明している。

マイクロサイズバブル内の超音波有向振動によって起こされる反応は、ピコ秒しか続かないが、強力である。キャビティ内の温度は、15000ケルビンまで上昇し、圧力は、1000バールを超える(地球表面の圧力は海水面で約1バール)。反応時間は、周囲の材料が影響を受けないほど短い。

研究チームは、ポリジメチルシロキサン(PDMS)という積層造形で使われるポリマで実験した。トランスデューサを使って、超音波場を生成した。これが、構築材料のシェルを透過し、標的の液体レジンを固化し、それをプラットフォームあるいは、前に固化された別の物体上に堆積させる。トランスデューサは、所定の経路に沿って動き、最終的に所望の生産物をピクセル毎に作製する。マイクロ構造のパラメタは、超音波の周波数の持続時間と使われる材料の粘度を調整することで操作可能である。

多様で特殊
研究チームの見方では、DSPの多様性は、非常に特殊で繊細な装置に依存する産業にメリットがある。例えばポリマPDMSは、マイクロ流体産業で広く利用されている。その場合、メーカーは、医療デバイスやバイオセンサを作るために制御環境(クリーンルーム)や高度なリソグラフィ技術を必要とする。

航空宇宙エンジニアリングや修理もDSPから恩恵を受ける、超音波は、金属シェルのような不透明表面を透過するからである。これにより保守担当者は、航空機の機体深部の部品を補修することができる。これは、光活性化反応に依存するプリンティング技術ではアクセスできない箇所である。DSPは、人や動物のリモート体内プリンティング向けの医療アプリケーションさえも可能である。

「われわれは、ポリマやセラミックスを含む多数の材料をプリントできることを証明した。次はポリマ-金属複合物を試し、最終的には、この方法を使って金属をプリンティングしたい」とPackirisamyは、話している。
(詳細は、https://www.concordia.ca)