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センサを微小化、多機能化する3Dプリンティングナノ共振器

December, 12, 2021, Jerusalem--MEMSは、マイクロスケール機械的および電気的コンポーネンの集積をベースにしている。
 これらのデバイスのナノスケール微小化(NEMS)への関心は高い。それが、単一分子と相互作用できる感度の慣性、質量および力センサ実現の可能性があるからである。
 しかし、NEMSセンサの普及は、従来のシリコンベース技術の高い製造コストによって、依然として制約されている。逆に、3Dプリンティングのような新技術は、低コストで類似構造を作製できることを示している、しかも興味深い固有の機能を備えている。しかし、今日までのところ、その質量センサとしての性能は高くない。

Nature Communicationsに発表された「3Dプリンタナノメカニカル共振器によりシリコンベースNEMS性能に到達」は、3Dプリンティングから機械的ナノ共振器がどのようにして得られることを示している。Qファクタ、安定性、質量感度および強度などの性能指数は、シリコン共振器の製品に匹敵する。その研究は、Politecnico di Torinoとエルサレムヘブライ大学(Hebrew University of Jerusalem)の成果である。

様々なナノデバイス(膜、カンチレバー、ブリッジ)が、新しい液組成の2光子重合化により得られた。これは、有機含有物を除去する熱処理に続くものであり、後に残ったのが高剛性、低内部散逸のセラミック構造である。得られたサンプルは、レーザドップラー振動測定法で評価される。

「われわれが作製し評価したNEMSは,現在のシリコンデバイスと一致する機械的性能である。しかし、利用したのは、もっと簡素で高速、多様性が高いプロセスである。したがって、化学的-物理学的機能を付加することもできる。例えば、論文の材料はNd:YAG、これは通常、赤外域の固体レーザ光源で利用されている」とStefano Stassiは、説明している。

「迅速かつ簡素な3Dプリンティングプロセスで、シリコンと同等性能を持つ複雑な微小デバイスを作れることは、積層造形および迅速製造の領域に新たな地平を拓く」とShiomo Magdassiはコメントしている。
(詳細は、https://www.politocomunica.polito.it/)