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疑似固体リチウムイオン電池の3Dプリント製造技術を開発

November, 16, 2021, 仙台--東北大学多元物質科学研究所 雁部祥行技術職員、小林弘明助教、本間格教授らは、リチウムイオン伝導性イオン液体電解質の3Dプリント技術を開発することで、固体リチウムイオン電池を室温・短時間でオンデマンドに3Dプリント製造する技術開発に成功した。
 リチウムイオン電池などの蓄電デバイスの幅広い普及に伴い、各々のニーズに応じた蓄電デバイスのオンデマンド製造技術が求められている。

開発した電解質インク材料は、リチウムイオン伝導性イオン液体、シリカナノ粒子からなる疑似固体電解質材料に紫外線硬化樹脂を混ぜることで、光造形方式による3Dプリントを可能としている。3Dプリントされた電解質膜は十分な構造維持性を有し、燃えにくい性質も示す。この電解質インク材料と正極・負極インク材料を3Dプリントすることで固体リチウムイオン電池を作製し、動作実証に成功した。今回作製した電池は室温で製造出来るため、例えばポリマーなどの熱に弱い基盤上でもリチウムイオン電池の直接プリント製造が可能。また、任意の大きさ、任意の形状の電池を製造できるので、車載用電源からウェアラブルデバイスまで、固体リチウムイオン電池の幅広いニーズにオンデマンドに対応し製造することが可能。

研究成果は2021年11月10日に、英国王立化学会の科学雑誌、Dalton Transactions誌にオンライン掲載された。
(詳細は、http://www.tohoku.ac.jp)