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金属3Dプリンティング市場規模、2030年に353億3000万ドル

May, 8, 2023, San Francisco--Grand View Researchのレポートによると、世界の金属3Dプリンティング市場規模は、2023-2030年にCAGR24.2%成長で2030年に353億3000万ドルに達する見込である。
金属3Dプリンティングは、積層造形(AM)とも言われ、アディティブ法を使用して様々な2D形状で材料層を連続的に付加していく。これら層化2D形状は、相互に構築されて3D物体を形成する。そのプロセスは、金属ブロックから始まり、不要な金属を砕いて取り除き所望の物体を形成するサブトラクティブ法とは異なる。

金属3Dプリンティング産業は、迅速なプロトタイピング需要の増加などの多くの要因の組合せで予測期間に大きく成長する見込である。さらに、3Dプリンティング技術による製造容易性や付加的利点が、様々な業種で同技術の採用増の背景にある。

金属3Dプリンティングは、製品製造強化、Time to Market短縮の要求増により、産業分野で広く採用されている。自動車業界は、期せずして金属3Dプリンティング技術を最も多く採り入れており、予測期間に、工業アプリケーション向け金属3Dプリンタの最高市場シェアとなる見込である。予測期間に、AMはさらに進化すると見られている。

同市場は、単なる労働集約的工業生産技術というよりも大きな経済的側面の影響を受けている。特に、ブラジル、南アフリカ、インドなどの発展途上経済圏では、機械加工ショップが、3Dプリンタを導入することで代替事業モデルを採用し、3Dプリンティング材料、フィラメント、3Dモデリングや3Dプリンタソフトウエアなど関連サービスを提供できるようになっている。

金属3Dプリンティング市場レポートのハイライト
・2022年、ハードウエアセグメントがグローバル収益シェア64.01%で市場をリード。これは、急速な工業化、コンシューマエレクトロニクス製品の普及増、公共インフラの展開、急速な都市化、労働コストの最適化など多くの要因によるものである。さらに、自動車、ヘルスケア、コンシューマ業種で金属3Dプリンタの導入増が、市場の成長を大幅に促進すると予想されている。
・産業用金属3Dプリンタセグメントが、予測期間に市場で優勢を占めると予想されている。これは、産業における先進的製造、部品の素早いプロトタイピングの必要性の高まりによるものである。
・金属3Dプリンティング技術、選択的レーザ焼結、積層造形物製造などが、牽引力となっている。これは、迅速で正確なプロトタイピングを提供し、Time to Marketを最適化する技術力によるものである。
・2022年、プロトタイピングセグメントが収益で約55%のシェアだった。実に、航空宇宙、防衛、自動車業種で、コンポーネント、部品およびシステムの設計と開発でプロトタイピングの包括的採用によるものである。
・デスクトップ金属3Dプリンティング業界は、教育目的、歯科、ファッション&宝石、食品、オブジェクトに分けられており、予測期間に大きなCAGR成長が見込まれている。このセグメントの成長に貢献する要因は、歯科、オブジェクト、ファッション&宝石などで需要が伸びていること。これらは、金属3Dプリンティング技術を使ってアイテム量産に適している。
・2022年、同技術の早期、大幅な採用率により、北米が最大の市場シェアだった。
・APAC地域は、複数の産業業種の製造ハブとして登場してきており、大きな成長が見込まれている。継続的な都市化が、インフラストラクチャ需要の引き金となり、自動車、コンシューマエレクトロニクス、航空宇宙&防衛、ヘルスケア業種による金属3Dプリンティングの採用を後押ししているからである。特に、中国、日本、韓国などの諸国である。